総本山身延山久遠寺
日蓮宗は伝統仏教の宗派で、鎌倉時代中期の建長5年(1253年)、日蓮聖人によって開かれました。日本八宗(天台宗・真言宗・浄土宗・浄土真宗本願寺派・真宗大谷派・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗)に数えられます。
日蓮宗では法華経を教えの拠り所とします。日蓮聖人は16歳で出家され、10年以上比叡山や高野山、有名寺院であらゆる経典を学び、研鑽を積みました。 その中で、イキイキと今を生きる為の教えが説かれた法華経にこそ、人々を救うお釈迦様の真の教えが説かれている事を確信されたのです。 そして日蓮聖人はお題目(南無妙法蓮華経)にはお釈迦様の智慧と慈悲が凝縮されている事を見出されます。法華経の教えを実践し、お題目を唱える事によって自分もみんなも無量の功徳を得て、共に仏になろう、救われようという信仰です。 詳しくは日蓮宗ポータルサイトをご覧下さい。
日蓮宗の前向きな教えの気風は多くの文化人、武士、思想家による熱心な信仰も生んでいます。
15~16世紀の京都では日蓮宗の信仰が隆盛を誇り、法華の巷と呼ばれる程で、法華信者の町衆によって自治区が形成されるほどでした。狩野元信、長谷川等伯、本阿弥光悦、俵屋宗達、尾形光琳、尾形乾山といった優れた芸術家達も熱心な信仰者で、信仰に関連する作品も見られます。
また、江戸でも広く信仰を集めました。葛飾北斎や歌川国芳、鬼平で有名な長谷川平蔵なども日蓮宗です。
「祖師」とは宗派の開祖を指す言葉ですが、関東で「お祖師様」と言えば日蓮聖人というくらい有名である事からもその人気ぶりが窺えます。登場人物に日蓮宗の信仰をする人が出てくる落語の演目がある事からもその影響の大きさが分かります。
蓮下絵和歌巻(部分)本阿弥光悦書、俵屋宗達画
紅白梅図 尾形光琳筆
白泥染付金彩薄文蓋物 尾形乾山
日蓮宗は新興宗教と関係あるのか?といった誤解を耳にします。実は新興宗教に限らず、日蓮聖人を祖と仰ぎ「南無妙法蓮華経」と唱える宗教団体は日蓮宗以外にも数多くあるのですが、それぞれ教えの解釈が異なるので、当然別の団体として活動しています。新興宗教の団体と日蓮宗とは教義が異なり、関係のない団体です。